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2007年3月30日 (金)

地の果てに、思いを馳せ

大変なことになった。恋をしたかもしれない。どうしよう。既婚者がこんな気持ちを抱いたら、浮気ってことだろうか?先日、筑波エクスプレスに乗り、荒川を越え、江戸川を越え、辺りは一面田んぼという遠い所に行ってきた。世田谷区に住む私には、荒川を越えるのさえ遠足のように感じるのだから、まるで地の果てなわけだけど、そこへ行ってからだ。階段を上がるとき、料理をするとき、電車に乗ってるときなど、ちょっとでもぼんやりできる時間があれば、夕暮れの田んぼのど真ん中での、出会いを思い出しているのだから。本当に、なんてキラキラしているんだろう、って。出会った瞬間に、アッって思って、それから家に帰るまで、多分ずっと、のぼせていたんだと思う。あまり喋らなかったんじゃないか。この喜びをちゃんと伝えられただろうか。その時から胸はドキドキしっぱなしだ。だいたい、こんなことになったのは、4月に結婚するという友達のせいなのだ。「結婚式には着物を着て来てね」と言われて、「春らしいのがないからドレスにするわ」と返したが、「いいとこ連れてくから」なんて赤線地帯のうさんくさい客引きみたいに言うから可笑しくなって、「はいはい」と呉服屋(なのかな?)に連れて行ってもらうことになったのだ。大富豪じゃないし、勿論、見るだけ。着物をたくさん見るのは勉強になるし。その、「いいとこ」が筑波エクスプレスの、地の果てにあったわけだ。駅を降りると一面田んぼ。夕暮れ時の逆光で、時々視界が霞んだ。ちらほらと民家があるような慣れない風景の路地を右へ曲がり、左へ曲がり、また右へ曲がった辺りだったか、突然、目の前に京都のお茶屋さんのような門構えの家が現れた。へえー、こんなところに!驚いていると、「ようこそ」。奥から旦那が出て来て、艶のある柔らかい笑顔で迎えてくれた。でも、アッって思ったのはこの旦那にではない。灯籠のような、ぼんやりした光に照らされた廊下をスルスルと抜け、お茶室に通され、苔の生えた小さなお庭に滴る水の音を聞きながら、主菓子と濃茶を頂き、少しお話をしてから、「では」と旦那が襖を開けた。私は立ち上がって、襖の奥に入ろうとした時。アッ!この瞬間、胸に覚えた何とも言えない感情は、やっぱり恋をしたとしか言いようがない。見た事もないような、もしくは映画の中で見たような、本当に魅力的な、輝やかしい、上品な着物がペタリと畳の上に置いてある。蒼のグラデーションに、金の総刺繍。勿論ハンドメイドだ。少し羽織らせて頂いた。その後は、もうなんだかのぼせてしまって、あまり覚えていないが、その日からその着物を思うと、胸がドキドキするのだった。筑波エクスプレスの地の果で、こんな素敵な着物と出会うなんて。ウチの主人が知ったらどんな顔をするだろう?(by Anne)
小さな庭
お茶室から見る小さな庭

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