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2007年3月26日 (月)

はなよみ

あいにくの雨で昨日のお花見は中止となった。まだ一部咲き位だったから、そんなに損はしていない筈なのに、求めるものは花より団子だった分、花はなくても、団子の会の方は実行された。オーガナイザーが経営するお店に3時ぐらいから集まるから、というメールをもらって、私は4時ぐらいに友達と待ち合わせて行った。午後だったし、一応花見名目だからピクニック風のカジュアルなものが良いと、イタリアのアスティとボルドーのロゼワインの2本、それに美味しいオリーブを持って行った。着くと、タッパーに入ったものすごい量の美味しそうな手料理がテーブルに並んでいた。みんながこしらえてきたものだった。急に恥ずかしくなった。事あるごとに「ワタシ、料理上手いの」と自慢している私が、何も作って来ていない。申し訳ないな、と思いながらお喋りしていたら、いつの間にかうっすら胃痛を起こしていた。あー、またやってしまった。無意識に気を使いすぎて、こうなることしばしば。そのうち直るかなと思っていたけど、やっぱり良くならない。残念ながら早々に家に帰った。毎度の事だが、帰ると何て事無い。ベットで15分うつぶせになれば、すっかり良くなる。また団子の会に戻ろうかなと思ったけど、枕元にあった本に手を延ばしたら、そのまま吸い込まれるように読みふけた。花より団子より本。文字が語る花。先日、和尚様から教えて頂いた宇野千代さんの『薄墨の桜』(3月22日参照)という本だ。たった一本の桜の木を題材に書くなんて、といった驚きも然る事ながら、美しい薄墨桜の古木が朽ちるのを避ける環境保護物語から、その木の救命に関わる人々のヒューマンドラマに転じて、さらにサスペンスへと展開してゆく、めちゃくちゃスケールの大きいドラマチックな物語が、たったの百数ページで纏めあげているのには感動した。中盤から、『私小説』(著:水村美苗)で感じるような切ない気持ちになりつつも、宇野千代さんの、あの、たおやかな文体で語られると、ずっしりと重みを感じるどころか、どうってことないでしょう、といったような軽い話だったような余韻が残るところも親しみやすい。そもそも、宇野千代さんって、着物デザイナーだと思っていたから、こんな文才があるというのにも驚いたし。こんな物語(半ば実話ではないだろうか)を展開させてくれた薄墨桜とはどんなだろうと、読みながらずっと想像していた。お花見は中止になり、団子の会も早々退散したけれど、私はベットの上で、つまみもなくして、こっそりと、満開に咲き誇った薄墨桜を堪能することができたのだった。(by Anne)

薄墨の桜

「薄墨の桜」(著:宇野千代、集英社文庫、400円)。便利なAMAZONEで早速注文して購入。

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