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2007年12月26日 (水)

寛大な奥さん

先週から主人の妹、要するに義妹がパリに来ている。英語と日本語のバイリンガルだからか、彼女は物事を色々な視点から見れるようで、たまにふと口にする一言に私は意表を突かれることがある。その心地の良い驚きは、義妹が来てから数日、幾度かその心地の良い驚きがあって、しばしば私は可笑しくなったり考えを改めさせられたりしているわけだ。昨日もそんなことがあった。24日のクリスマス・イブは、フランスでは大概家族で過ごすもだから、私たちも親の家で、妹のパートナーの両親を招きいて8人で祝った。牡蠣から始まり、フォアグラのイチジクソース、それにあの「官能的なパプリカ」、鴨の丸焼きに栗のスタッフィング、ポテトのピュレーに蕪のリソレ、デザートにはビュッシュ・ド・ノエルだった。シャンパーニュは奮発してベル・エポック1998、白はシャブリ・グランクリュのグルヌイユ(04)、赤はサン・ロマン(04)とシャトー・カントゥメルル(98)、などだった。翌日の昨日は、その残り物でシンプルにディナーをした。サクッと済ませるつもりだったが、結局色々な話をし始めたら、あっという間に11時半を回っていた。私の手の甲に、「11:30」と大きくマジックで書いてあるのを目にして、ヤバイ、と思った。東京に居る主人から、その日は絶対に7時半に起こしてくれと頼まれていたからだ。危うく忘れるところだった。時差が8時間だから、今モーニングコールをすれば、まだ間に合う。向こうは朝の7時40分頃だろう。私は主人に電話をかけた。「もしもし」。少し眠そうな声だ。本当に起きているのかそうでないのか分からない。「おはよう。7時半過ぎちゃった。時間よ。起きて」。そう声をかけた。主人は、「うん」だとか、「大丈夫」だとか言っている。朝が苦手な彼だけに、私は本当に起きれているかどうか心配になって、しつこい位何度も声をかけた。「起きて」。「起きて」。「起きて」。電話の向こうの声がはっきりしてきた。「起きて、起きて、起きて、起きてね、じゃあね、切るよ、起きてね、じゃあね、おやすみー」。私は電話を切った。義妹が横で大笑いしていた。「なんて寛大な奥さんなの?」と言って。
これだけの話で、本当はここでストップしたいところ。解説を付けると、ユーモアのセンスも何もなくなっちゃって、ダサくなる。だけど、義妹のリアクションはちょっとズレた感じで変わってるから、やっぱり説明しないと訳が分からないかもしれない。私は主人に起きるよう言っておきながら、おやすみと言ったこと。それはこちらはもう寝る時間だからなのだが、時差がある状況をイメージしないで、電話の言葉だけ聞くとちょっと変だ、と義妹は笑ったのだ。散々「起きて」と言っておきながら、「じゃあ、おやすみ」なんて矛盾していると。確かにそうだ。そこで「寛大な奥さん」だと彼女が言ったのは、恐らく、起こしたけど、寝たければ寝てても良いのよ、と言っているようだから、ということなのだろう。義妹のちょっと変わった視点は、またしても私を笑わせてくれたのだった。(by Anne)

ビュッシュ
ダニーのお手製ビュッシュ・ド・ノエル。マロン風味。
ベル・エポック
イヴに飲んだワインの空き瓶たち。

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