無料ブログはココログ

« 2008.05.03. | トップページ | 嫌酒家への果たし状 »

2008年5月 7日 (水)

初ガツオならぬ初ウツボ

高知にある菩提寺の和尚様は、ときどき「里便りです」と、土佐の名物を送って下さる。一ヶ月前、母が東京に滞在していた時には、藁で炙った沢山の鰹のタタキが届き、親戚一同で感動しながら食した。それからしばらくして、母がパリに帰ったころ、和尚様からメールが。土佐にはウツボのタタキという、知る人ぞ知る名物がある、是非食べてみては如何だろうか、興味があれば送る、といった内容だった。「ウツボねぇ…」と、考えていた矢先に和尚様からの電話。「明々後日そちらに届くようにしましたから」とおっしゃる。珍味にトライするのはとても楽しい。私は嬉しくなって、クール宅急便が届くのを待ち構えていた。ウツボのタタキって、一体どんなものなのだろう?柔らかいのかな、固いのかな、美味しいのかな?ウツボの顔を想像すると、若干ゾゾッとするが、和尚様が「生前の姿は想像しないで」とおっしゃったので、余計な事は考えないよう努め、珍味のお出ましを待つことにした。いよいよ翌日ウツボが届くといったその晩のこと。私は夢を見た。
台所に立っていると、ピンポーンとベルが鳴る。「ウツボだわ!」とドアを開いて箱を受け取る。台所で開けてみる。なんだ、白身のお魚の切り身みたい。生前のグロテスクなイメージと全然違う。ホッとした。お刺身のように丁寧に薄く切る。一口食べてみる。淡白な味わいだ。結構美味しいものなのね。全部切り終えて、いざお皿に並べようとしたら、大波がやってきた。そしてウツボの切り身を全部流してしまった。大変だ!折角和尚様が送って下さったのに!私はウツボの切り身を拾いに、海女さんのように、海底へ潜っていった…。
目が覚めると汗びっしょりになっていた。翌日、ウツボが届くと、夢だったことを再確認して安堵した。いざ開けてみると、夢で見た姿とそっくりで驚いた。ほんの少し切って食べてみると、やっぱり淡白ですっきりした味わい。デジャビューだった。夢の印象と少し違ったのは、お魚というより鶏肉に近いような感じを受けたことと、ぴったりとくっついているコラーゲンだ。活力が湧く気がしてきた。するとピロピロピロと携帯が鳴った。見ると従姉からだ。「アンちゃん、今晩何してる?」とある。一緒に食事に出かけようかというつもりなのだろう。タイミングがメチャメチャ良いではないか!「ウツボ食べるからウチにおいで」と返事したら、大喜びでやってきた。ウツボを味わうのはスムーズだったが、なにせ食べ慣れないから色々な食べ物と比較したり、似せてみたりして、頭の中の食べ物メモリーにインプットさせた。かすかに後を引く独特の臭みに、そのうちハマるかもしれない。なによりも土佐便りを里便りと言って、いろいろと送って下さる和尚様の心配りにジーンとするのである。(by Anne)

ウツボのタタキ
玉ねぎと、ニンニクと、ネギと、ショウガ、と共に、添付されていた絶品のポン酢醤油で、頂いた。余った分は、翌日竜田揚げにしてみた。甘酢味噌でも美味しそう。

« 2008.05.03. | トップページ | 嫌酒家への果たし状 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初ガツオならぬ初ウツボ:

« 2008.05.03. | トップページ | 嫌酒家への果たし状 »