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2008年7月

2008年7月30日 (水)

下田珍道中/その2

(つづき)エッ!?石ころ?いや、フジツボだ!驚愕とは、まさにその時の私。食事中、フジツボは頭から離れなかった。なんでフジツボなの?正面でお刺身をがっついてる大分漁師町出身のトムも、「ウチの田舎だって食べないゼ」と言っている。もしかして、ここはヤミ鍋ならぬヤミ味噌汁を食わすところなのかしら?観光客用の味噌汁なんて、適当なものをぶち込んでおけば良い、ということかしら?と、メチャメチャ、ナンセンスな想像をしてしまう。あまりに気になったのでお会計の際に、聞いてみた。失礼のないように。「フジツボなんて初めてでした」。すると、そう言われたことに驚いた様子で、「あ、そうですか!この辺じゃ、私の子供の頃なんか、こればっかです。これが一番良いダシがでるんです」と説明してくれ、一枚のA4コピーをくれた。先ほど口にしたフジツボ入り味噌汁の説明が書いてある。「お椀の中に磯がある」とあり、十種類以上もの貝などが紹介されている。本当に地元の味なんだ。またしても驚愕。確かに味は美味しかった。お店を出るとスーパーに立寄り、CAVAを買った。小屋に戻って飲みながら、レッカーって言うのか知らないが、ウチの車をなんとかしてくれる人を待った。しかし待てど暮らせど、なんとかしてくれる人は来ない。眠気と戦う努力をしない私は、その時ばかりは薄情で、一人サッサッと寝てしまった。なんとかしてくれる人は翌朝の6時になってようやく来たらしい。車は東京へ運ばれて行った。それでも一日下田に残ってビーチを楽しみたかったので、タクシーで海へ行った。夕方になるとまた、タクシーをビーチに呼んだ。その足で温泉へ。温泉からもタクシーで下田の駅へ。東京へはレンタカーをせず、電車で帰ることにしたからだ。乗車券を買い、荷物の整理をしていると、食べかけのパンを小屋のソファーに置き忘れてきたことに気付いた。またしばらくは閉めっぱなしの真夏の小屋に、食べかけのパン。蟻がウヨウヨ寄ってくるのが想像できた。慌ててタクシーで取りに戻った。下田駅から小屋まで、小屋から下田駅まで。食べかけのパンのために往復5千円。「やんなっちゃうわね」と一息ついて、いよいよ電車に乗ろうとした、その時。私は腰を折り曲げて叫んだ!「私、スニーカー、小屋に忘れて来ちゃった!」。他のみんなは私を睨んだ。冷ややかに「また5000円」と書かれた目を見れば、「もちろん戻らないわよ」と返事をするしかないだろう。帰りの踊り子号の中で私はまだ驚愕のフジツボを思い出し、その余韻は家に帰るまで尾を引いていた。エメラルドグリーンの海を思えば、これしきの珍道中なんてどうってことない。けれど、フジツボ味噌汁だけはどうってことないで終わらせたくない。皆様にも是非味わって頂きたいものだ。(by Anne)


緑のレース2
金目鯛もお刺身も、そして目玉のフジツボ味噌汁も、全部写真にとったのに、なぜか消えている。珍道中らしくて良いけれど、実に地元っぽくて美味しくて、良いお食事処だったので、また是非行きたい。お刺身は、切り方もとってもきれいでした。。。


2008年7月29日 (火)

下田珍道中/その1

海の日の頃を狙って下田の海に泳ぎに行くのは恒例となっている。泳ぎにというよりは、浮きに、といったほうが適切だろう。とはいえ、夏期の休日といえば軽井沢で木こりばかりしている私達にとって、張り切って下田で海坊主もどきをしても、生っ白い肌じゃ格好もつかないのが口惜しいところだけれど、日本とは思えないエメラルドグリ−ンの海を目の前にすると、なんだかいろんなことがどうでも良くなってくる。東京からは少し距離があるが、その美しさと開放感のためだったら、4時間ぐらいの運転もたいしたことはなく、毎年飽きもせずに遊びに行っている。とはいえ、下田を熟知しているとは言いがたい。毎回同じ行動パターンを繰り返しているだけだから。
朝早く東京を発ち、10時ぐらいに親戚の小屋に到着。それから、毎回同じビーチへ向かい、パラソルを立てて一寝入り。暑さで目が覚めて、海に入り、しばらく波乗りをすると、丁度ランチタイム。近くの洋風海の家でクラブサンドやカレーを食べて、またビーチへ。人が少なくなる夕方までのんびり過ごした後、いつもの温泉へ向かう。その後は、いつもの定食屋で夕食。二泊する時はいつものお寿司屋さんにも顔を出す。そしてスーパーでワインを買って小屋に戻り、みんなで飲んで、おやすみなさいだ。未だかつてこのスケジュールに狂いが生じたことはない。
ところが、先日は最初っから変だった。3人で行く筈が4人になり、それが5人になったことから始まった。そこまでは、よくあること。しかし1人が、前乗りするかもしれない、レンタカーをするかもしれないと言い出して、出発当日になっても一体何人がウチの車に乗るのか分からなかった。結局、レンタカーを手配するにはトゥーレイト。ギリギリになって予定通り5人車に乗っての出発となった。食に対する拘りは到底譲れはしない私たちだが、その晩に限って、先を急ぐためにファミレスで済ませたのも今となっては珍行動だ。それでも東名を下りて、小田厚から西湘バイパスを抜けるまではスムーズだった。しかし真鶴に着いた頃、いきなり車がピーピー騒ぎだし、STOPしろという。具合が悪いらしい。その後もちょっと動かすとピーピー言う。高速が通っていないド田舎で、深夜営業のガソリンスタンドを見つけるまで相当時間がかかった。やっと見つけたと思ったら、石油代高騰のしわ寄せで深夜は無人営業となっていた。車を点検してもらえない。仕方なく、休ませては動かし、ピーピー言われては休ませと、騙し騙しでなんとか下田に辿り着けた。予定到着時刻を遥かに過ぎた、深夜2時。眠い。とにかく車のことは明日考えよう、とスカーレット・オハラさながらその日は寝たのだった。翌日は、嬉しいことに快晴だった。一刻も早くビーチへ行こうと、車の点検は後回しにした。朝食は下田駅前のマック。仕事で忙しい時、マックのバーガーを齧るという主人を白い目で見ていた私も、いつの間にか最近は「じゃ、マック行こう!」と提案するようになった。100円コーヒーが驚くほど美味しい。すると目の前を東京のご近所さんが通った。なんでまたこんなところに!大騒ぎで挨拶をした後、別のビーチに急ぐ彼らに手を振って、私たちも海へ繰り出した。車は相変わらずピーピー言っていたけど、やがて気にならなくなった。海は透き通ったエメラルドグリーンに輝いていた。私たちはパラソルの下に半分体を入れて、ジャンクフードとジャンクマガジンを広げ、ジャンクな会話を楽しみ、飽きた頃、波乗りをした。ランチタイムになるといつもの洋風海の家でクラブサンドやパスタをたのんだ。けれどメチャメチャ待たされた。おまけに出てきたコーラとペリエは炭酸が抜けきっていた。メチャメチャ不機嫌になりそうなところを私らしからずグッと我慢して、大人しくビーチに戻った。何度も何度も波乗りをして遊んだ後、いつもの温泉に向かった。温泉はメチャメチャ混んでいた。食事をしようといつもの定食屋へ行くと、メチャメチャ混んでいた。あきらめていつものお寿司屋さんに行ったら、そこもメチャメチャ混んでいた。どこもかしこもメチャメチャ三昧。もはや今夜は断食か。そう思った頃、一軒の御食事処から5人ぞろぞろ出てきたのを発見。一目散にその暖簾に突っ込んだ。「入れますかぁ?」「ああ、今片付けるね」。困った様子もなく入れてくれる。混んでない。ひょっとして評判の悪い店なのかしら?でも断食よりはマシ。注文の後、目の前に金目鯛の煮付けが置かれると、その大きさに驚いた。二人前はあるだろう。とりあえず付け合わせのお味噌汁をすすろうとして、お箸でそっとかき回したその時。ゴロゴロッと何かが見えた。つづく。(by Anne)

緑のレース1
折角撮った下田の写真も、なぜか全て削除されていた。今回のこの旅は、もう、なにもかも、メチャメチャ。写真がないと殺風景なので、緑をお見せいたします。


2008年7月21日 (月)

夢が見た夢/その2

(つづき)要するに、黒人を軽蔑している彼女だが、本当のところ、無意識の状態では黒人男性に憧れている、もっと言うなら襲われたいという性的抑圧があるという話だ。儘父は、アメリカには人種差別が根強く残るという話をする時に、人種差別を揶揄したこのジョークを思い出したのだったが、私は先日、マチ子の夢の話で思い出したのだった。
恵比寿で計10名ぐらいで食事をしていた時のこと。ド真ん中に座った女王様気取りのマチ子が、テーブルの一番端でひどい頭痛に襲われ黙りこくっていた男友達に向かって、突然叫んだ。「ちょっと!サトル!そういえば、あなた、ずうずうしいわよ!」。頭痛が一瞬にして消え去ったかのように彼はハッとした。「な、なに?」。「ねえ、聞いて!この人ったらね、」とマチ子。みんなに聞こえるように大きな声で、「この人ったらね、私の夢に入ってきたのよ!ずうずうしいと思わない?」と言うのだ。「人の夢に勝手に入ってきて、おまけにもっとずうずうしいのが、なんとこの私に言い寄ってくるのよ!」。周りはキョトンとしている。サトルは、ついさっきまでひどい痛みと戦っていたと思ったら、今度は散々ずうずうしいとののしられて、気の毒に言葉を失っている。しかしそんなことはおかまいなしの『女王様』は続けた。「でもね、私って良い人だから、『あなたの彼女に悪いから』って言って誘惑を断ったのよ。確かにそれもそうなんだけど、それ以上にホンネを言ったら傷つくだろうと思って」。ひと呼吸置いて、彼女は言った。「ホンネはね、あなたに興味がないってことなんだけど」。ようやく話の流れを理解した彼は、「自分が勝手に見た夢だろうが!」と言い返していたが、私は彼と黒人男が重なって、案外、マチ子はサトルに惹かれているのかもしれない、と密かに思った。しかし、すぐにその考えは取り消した。なぜなら、マチ子のご主人は、繊細なサトルとは似ても似つかない、『ドカベン』だからだ。(by Anne)
注意:登場人物の名前は、ジャン以外匿名です。

女の子の夢
マチ子とお茶した銀座のダロワイヨで。マカロンアイスとマカロンケーキを目の前に、女の子に生まれて良かったと思った、夢のひと時。ワインを毎日飲まなくなったら、けっこう甘いものも好きになってきた。


2008年7月19日 (土)

2008.07.19

古い紋紗で初薄物。
長襦袢、帯、足袋、伊達締め、腰紐…。
呉服屋さんに一式全部持って行って、
「着せて」と言ったsaboriday。
(by Anne)

紋紗

2008年7月18日 (金)

夢が見た夢/その1

パリの継父の周りには、数多くの芸術家や作家がいて、みんなそれぞれ相当、変わり者というのが失礼であればエキセントリックで、印象に残らない人はいないが、なぜか2度しか会ったことのないジャンの話は頻繁に思い出す。ジャンとは、ニューヨークに住むジューイッシュ系の画商。主にマックス・エルンストやドロテア・タニングなど、シューレアリストの作品をコレクションしているだけあって、『夢』というテーマには執着があるらしい。儘父が「忘れもしない」と言って、何度も何度も私に聞かせてくれた彼のジョークは、夢にまつわる話だった。そして私のユダヤ系ユーモア好きは、そこから始まったのかもしれない。
「知ってるか?この話。ニューヨークのアップタウンのとある寝室で、若くて美しい白人の女性が眠っていた。かわいそうに彼女は大きなベットでひとりきりだった。早くに亭主に先立たれたからだ。枕元のランプの薄明かりが彼女の真っ白な肌を照らしていた。辺りはシンとしていて、彼女のかすかな呼吸が聞こえるくらいだった。しばらくして突然、ミシッと小さな音がした。眠りが浅い彼女は、その音に気がついた。何かしら?ミシッ。また聞こえてきた。寝室の向こうの廊下からだ。足音のようだ。ミシッ!ミシッ!その音はゆっくりと近づいてくる。誰?!どうしましょう!!!彼女はジッと廊下に続く寝室のドアを見つめた。どうしましょう!!!いよいよ、ドアのすぐ向こうまで足音が近づいた。ギーッ。ドアノブがくるりと回り、ドアが半分開いた。黒い人影が!見開いた大きな目がふたつ。人影は部屋へ侵入した。黒人の大男だった。2メートルはあるだろう。肩から胸にかけての隆々とした筋肉、真っ黒に光る肌。どうしましょう!逃げられない!!!大男は彼女の寝ているベッドへ膝をかけ、大木のような股で彼女をまたぎ、グローブのような手で彼女を掴んで襲おうとした。彼女は思わず叫んだ。ありったけの声を張り上げて。『なんて恥知らずな!どうせ、どうせ、あんた達黒人のすることなんか!あんた達のすることなんか汚らわしい!下等よ!恥を知れ!』…。彼女は金色の髪の毛を振り乱し、叫び続けた。すると大男は低い落ちついた声で、ゆっくりと、彼女に向かって言った。『そうは言っても、これはあなたの夢ですよ、マダム』と」。つづく。(by Anne)


夢のまた夢


2008年7月16日 (水)

みんな笑顔

駅までの道は徒歩10分弱。バスに乗った方が早いけれど、よっぽどでないと乗らないのは、緑の多い住宅街の路地をくぐる楽しみがあるからだ。庭先に咲く四季折々の花を観賞して、しばしうっとりしたり、ブスかわいい野良猫と目が合って、しばし会話を試みたり。都心からさほど遠くないのに、どこか都会を忘れさせてくれる田舎っぽい雰囲気があるのだ。そんな駅までの道を、先日、いつものように通ったら、真っ赤な大きなバラが誇らしげに咲いているのに気付いた。私はそれだけで嬉しくなった。スキップでもしたい気分になった。そして路地を抜けて駅に向かう坂を上り始めると、ちょうど今し方到着した電車から降りてきたのだろう、家路を急ぐ人達とすれ違うことになった。ふと見ると、細身で黒ぶち眼鏡をかけた紳士風のおじさんがこちらを見て、ちょっと笑った。あれ?なんだろう?知ってる人かな?次に若い女性とすれ違った。彼女も私にニコッと笑った。誰だろう?お向かいさんじゃないよね?次に親子が来た。子供が私を見て笑ってる。あれ?私、おかしい?ふと気付けば、無意識に私の方がずっと笑顔を作っていたのだった。さっき見たバラのせいだ。
駅までの道でこんなこともあった。真っ赤なジェラニウムが咲き誇る低層マンションに、仲の良い12歳くらいの2人の女の子が住んでいるのは前から知っていた。2人はよく道に出て遊んでいる。ある日、その目の前を通ろうとすると、折りたたみテーブルの脇で、折りたたみ椅子に1人が足を組んで座っている。大人っぽくしたいのだろう、少しお澄ましして、髪を耳にかけたり、膝を組み替えたり。ほっそりしていてスタイルがよく、なかなかのおしゃれさんである。フフフ。ナボコフの言う「ロリータ」とは、こんな感じの子なんだろうな。そう思いながら彼女の目の前を通ろうとしたら、「レモンスカッシュはいりませんか?」と声をかけてきた。私はとっさに首を振ったが、向かいから来たおばさん2人は、「あら、いただくわ」と言って、女の子に近づいていった。すると奥からもう1人の女の子が出てきて、「レモンスカッシュですね、おまちくださーい!」と元気のいい声でオーダーをとり、足を組み替えたロリータの方が「ひとつ50円です」とレジを担当した。おままごとなのだろう。またある日は、2人がウェイトレスの真似なのか、お盆を手にのせて、低層マンションの前の道をうろうろしていた。スタイルの良い2人だから、遠目にそれだけでちょっと絵になる感じだった。サングラスをかけた図体の大きな私を見て、普通子供なら恐れをなすだろうと思い込んでいるものだから、何の躊躇もなく近づいてきて、「マフィンです」と声をかけてきたのには驚いた。「マフィン作ったんで、いかがですか?ふたつで100円です」。私は声をかけられたことが嬉しかったのもあるけれど、子供心がよみがえり、すてきな女の子達のかわいらしい遊びに参加したくなって、「じゃあ、いただくわ」と100円を渡した。マフィンというより、マドレーヌのようなものだったが、手に2つ乗せてもらい、さようならを言って、駅に向かった。そのマフィンはプリン味だった。「当たればプリン味です。でもほとんど当たりです。」と言った女の子の声を思い出しながら、味わった。
この話を友達にすると、みんな笑顔になる。駅までの道には、たくさんの小さな幸せが転がっているようだ。(by Anne)

スモモ
駅に向かう坂道の途中の、老夫婦が住む家の門構えに、春になると美しい白い花を咲かせる木がある。先日その前を通ったら、その木にはなんとたくさんのスモモのようなものがなっていた。圧倒された私は庭仕事をしていたそこの家のおじいさんに声をかけ、「これは何という名前の実なんですか?」と聞いてみた。「いやー、わからんなあ、ナントカっていうらしいんだがね、ま、少しお持ちになりますか?」。私は「では一つだけ」と遠慮がちに言ってみた。おじいさんは「そうおっしゃらずに」と6つ私の手に握らせた。「熟してきたら、召し上がれ。甘くて美味しいよ」と加えた。

2008年7月 3日 (木)

シネメモ2008年初夏/その2

なんとあの『セックス・アンド・ザ・シティ』がスクリーンデビューすると知って、早速試写会へ。数年前に私がDVDで観た時は、なんて楽しませてくれたことだったろう。それに当時いろいろな女友達会う度に、このドラマの話が話題に上らなかったことはない。一体どれだけの女性が励まされたり、パワーをもらったことだろう、とつくづく思うのだ。『セックス・アンド・ザ・シティ』は、単に下ネタトークを炸裂する品の無い女達の物語では決して無い。ニューヨーク特有の知性とセンスが光る、ブラックユーモアのスパイスがメチャメチャ効いたトークが炸裂するのであって、その点でいえば、ニューヨークのジューイッシュのエスプリにメチャクチャ近い感覚で描かれたドラマだと思うし、もっと言うなら、登場人物の4人の女性は、ウディ・アレンの娘達でしょ、と思うわけなのだ。おまけに、全94話にも及ぶ長い物語の始まり、つまり起承転結でいう『起』の部分はセックスの話が多いが、物語が進行するにつれて、テーマは恋愛観へと移行してゆく。最後の方では心うたれるシーンに幾度も出くわすわけなのだ。この物語は、下品だのなんだの、というレベルのものではなくて、もう、本当に、30代〜40代に代表される大人の女性達の、リアルなのだ。同世代の心を掴まない筈が無い。
と、前振りが長くなったが、映画版の方は、ドラマが1話が60分未満とやや私は欲求不満だったのに対して、2時間30分と、長い間楽しませてくれる仕上がりになっている。前半はライトでトレンディー。おなじみのテンポの良い会話が飛び交い、まるでファッションショーを観ているかのように華やかだ。後半はディープでラブリー。4人それぞれの恋愛の神髄に迫っていき、何度も何度も目頭が熱くなる。見終わった後の爽快感は、ホット・ヨガで沢山体を動かして汗をかいた後に似ている、とちょっと思った。ちなみに、4人の中で誰が好き?とよく人に聞く。幼なじみのY子は「当然サマンサでしょ!」と言い、友人の45歳の男性も、サマンサだと断言していた。確かに彼女の徹底振りはアッパレでかっこい。この映画で50歳を迎える彼女には、盛大な拍手を送りたいと心から思うかたわらで、私は、逆の意味で徹底している、常に愛に真剣な、シャーロットに痛く心打たれる。でも、ミランダの皮肉に勝るものはない。映画の最中では周りを気にして無理だったが、DVDをウチで観ていた時は何度手を叩いて喜んだことか!(by Anne)


セックス・アンド・ザ・シティ
『セックス・アンド・ザ・シティ』/8月23日より、日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー。
監督・脚本:マイケル・パトリック・キング、配給:ギャガ・コミュニケーションズ
http://sexandthecity-movie.gyao.jp/

2008年7月 2日 (水)

いよいよ

いよいよこの日が来たか!とタクシーを降りた私は項垂れた。横で主人は「ひどいよ」と私に呆れてスタスタと家に入ってしまった。結婚記念日の晩のことだ。
結婚記念日のお祝いに夫婦で出かけたが、仲良くディナーの予定が夫婦喧嘩になり、帰りのタクシーでは離婚話までに発展し、タクシーを降りる頃には、翌日離婚届を区役所に取りに行くということに決まり、私は、いよいよこの日が来たか!と思った。という話ではない。2008年4月1日と2日のブログに書いたような、恐れていたことがおこったのだ。
結婚記念日だから、私たちがとても気に入っているイタリアンフレンチのお店、『vinoble』に食事をしに行った。最近、ただでさえワイン友達に影響されて、私はボルドー派からシャンパーニュ派に移行してきたというのに、オーナーに「今日はルイ・ロデレールがあります」と言われてしまっては、あのルイ・ロデレール クリスタル ブリュットのキラキラした世にも美しいパッケージングを思い出さずにはいられず、心をときめかせない訳にはいかなかった。「それにします」と速攻飲み物を決めた。もちろん出てきたものはクリスタル ブリュットではない通常のものだが、やや薄暗い照明に照らされて細かい泡がキラキラとグラスの中で上ってき、黄金の光を放っているのをみると、やっぱりクリスタル ブリュットのパッケージングさながら、美しい。つい気持ちが高揚して、最初からガブガブとシャンパーニュを飲んだせいだろうか。お店のお料理もとても美味しくて、大満足だったせいだろうか。結婚記念日だから調子にのっていたせいだろうか。お店を出る頃には、今思い返せばやや酔っていたのだろう。酔ってるつもりはなかったが、食後のコーヒーをすすりながら、オーナーに占いをしていたのを思い出すと、やはり酔っていたようだ。私が「似非ですが」と前振りをしておきながら、真剣な顔をして周りの人を占いはじめたら、酔いが回っている証。親しい人ならよく知っているコードだ。とはいえ、ヘベレケではありません。足取りもしっかり、そのまま主人とタクシーに乗って、家の前に到着し、普通にお代を払って、普通におつりを受け取り、冷静にレシートが手渡されるのを待った。ジーッ、ジーッという音を立てて出て来て、運転手さんにピッと切られたレシートを手渡されると、私は主人の後について降りようとした。勿論、運転手さんにお礼を言って。勿論、「ごちそうさまでした〜」と、言って。
タクシーを降りた瞬間、ハッとした。主人は「ひどいよ、大丈夫?」と呆れてる。タクシーを降りる時に「ごちそうさまでした」と言ってしまいそうになるのではなく、いよいよ、本当に言ってしまった日が来たのだった!あの、運転手さんはどう思ったのだろう。。。(by Anne)

ルイロデレール


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