夢が見た夢/その2
(つづき)要するに、黒人を軽蔑している彼女だが、本当のところ、無意識の状態では黒人男性に憧れている、もっと言うなら襲われたいという性的抑圧があるという話だ。儘父は、アメリカには人種差別が根強く残るという話をする時に、人種差別を揶揄したこのジョークを思い出したのだったが、私は先日、マチ子の夢の話で思い出したのだった。
恵比寿で計10名ぐらいで食事をしていた時のこと。ド真ん中に座った女王様気取りのマチ子が、テーブルの一番端でひどい頭痛に襲われ黙りこくっていた男友達に向かって、突然叫んだ。「ちょっと!サトル!そういえば、あなた、ずうずうしいわよ!」。頭痛が一瞬にして消え去ったかのように彼はハッとした。「な、なに?」。「ねえ、聞いて!この人ったらね、」とマチ子。みんなに聞こえるように大きな声で、「この人ったらね、私の夢に入ってきたのよ!ずうずうしいと思わない?」と言うのだ。「人の夢に勝手に入ってきて、おまけにもっとずうずうしいのが、なんとこの私に言い寄ってくるのよ!」。周りはキョトンとしている。サトルは、ついさっきまでひどい痛みと戦っていたと思ったら、今度は散々ずうずうしいとののしられて、気の毒に言葉を失っている。しかしそんなことはおかまいなしの『女王様』は続けた。「でもね、私って良い人だから、『あなたの彼女に悪いから』って言って誘惑を断ったのよ。確かにそれもそうなんだけど、それ以上にホンネを言ったら傷つくだろうと思って」。ひと呼吸置いて、彼女は言った。「ホンネはね、あなたに興味がないってことなんだけど」。ようやく話の流れを理解した彼は、「自分が勝手に見た夢だろうが!」と言い返していたが、私は彼と黒人男が重なって、案外、マチ子はサトルに惹かれているのかもしれない、と密かに思った。しかし、すぐにその考えは取り消した。なぜなら、マチ子のご主人は、繊細なサトルとは似ても似つかない、『ドカベン』だからだ。(by Anne)
注意:登場人物の名前は、ジャン以外匿名です。

マチ子とお茶した銀座のダロワイヨで。マカロンアイスとマカロンケーキを目の前に、女の子に生まれて良かったと思った、夢のひと時。ワインを毎日飲まなくなったら、けっこう甘いものも好きになってきた。
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