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2009年10月

2009年10月28日 (水)

小児科病棟の余暇

以前にブログで書いただろうか。
ともあれ、私が常々励みにしている言葉がある。
それは、桃井かおりが監督デビューをした時のインタビューでだったか、「あたし、50になったらなんでもできるようになったの」というような言葉だ。ようするに、例えば監督だってやっちゃうし、子供の頃できなかった逆上がりだってできるようになったし、今まで出来なかった事ができるようになった、と言うのだ。それを聞いた私は、なんとなくその感覚が分からなくもないと、50にそのうちなる楽しみを頂いたわけだが、40を目下に、思いがけず出来てしまったことがあった。
それは先日の小児科病棟でのことだった。
夕方昼寝から起きてくると、ウチの子の様子がおかしい。
初めてのことだっただけに、一瞬、オロッとしたが、「落ち着け」と深呼吸して育児書を見ると、「様子を見て、お医者さんへ」と書いてある。「でも私は至急行く!」と、病院に駆け込んだ。幸い大した事はなかったが、赤ちゃんだから大事をとってということで、入院することになった。当然、私も付き添いで小児科病棟生活に入った。小さい腕に点滴の管が繋がれたのを見た時には、思わず泣きそうになったが、そこでも、「落ち着け」とグーを握った。私がメソメソしている場合じゃない。
病室に案内されると、なるほど、赤ちゃんの場合は、ベビーベットの横に、簡易式のベットが用意され、そこで母親が寝泊まりできるようになっている。添い寝をしたい場合は、大きなベットを出してくれるそうだ。
いざ入院生活が始まると、ウチの子は元気だったので、外に出たくてしかたがなさそうだった。ミッキーやプーさんの模様があるとはいえ、白い壁とにらめっこじゃあ、大人だって退屈。ましてや、エネルギーの塊にとっては、10分たりとも居たくない空間だろう。いったいどうやって気を紛らわせてあげれば良いのだろう。私は腕を組んだ。
お隣の赤ちゃんは、たくさんのおもちゃに囲まれ、ママに遊んでもらっている。ウチの子は外が好き。お散歩、お散歩、お散歩に連れてって〜、と言わんばかりグズグズしている。
看護婦さんに、インフルエンザの患者さんがいるから、あまり廊下に出ないで下さいと言われたが、「あまり」だったら、「少しだけ」、と廊下に連れ出した。すると「プレイルーム」というのを発見。なるほど、小児科病棟にはこんなお部屋があるんだ。たくさんのおもちゃ。たくさんの絵本。テレビからは、コンドルズの近藤良平によるアンパンマンダンス!
ひゃー!楽しい!
私は点滴のコンセントを抜いて、ウチの子を抱っこ紐にぶら下げ、プレイルームに飛び込んだ。とりあえず、目の前の景色や様子が変わればウチの子も楽しいだろうと、私が、(はい、ウチの子ではなく、私が、)おもちゃで遊び、絵本を読み、アンパンマンダンスをして遊んだ。しばらくすると、他の子供達がプレイルームに入って来た。私は、操り人形師みたいに、ウチの子を前に出して、「お兄ちゃん、僕と遊んでね」とかなんとか言ってみて、他の子達と仲良くなり、遊んでもらって、気を紛らわせてもらった。
こんな一連の動作を私の旧友達が見たら、目を疑うだろう。絵本はともかく、おもちゃで遊び、アンパンマンダンスを踊り、挙げ句の果てに、子供達に話しかけ、遊んでいるなんて!と。あんなに子供が苦手で、顔がこわばり、ギクシャクしていたのに、と。
プレイルームのお陰ですっかり散歩をした気になったウチの子は、お昼ねタイムに入り、3時間1ミリも動かず熟睡してくれた。私は、この家事をしないで良い、しかしパソコンを広げて執筆という感じでもないこの時間をどう過ごそうかと、また腕を組んだ。
ああ、もしかしたら出来るかもしれない。うん、きっと出来る。
私は、義母にお願いしようと買っておいたブルーの毛糸で、編み出した。
(by Anne)

編み物
ガーター編みならできるけど、編み始めを知らないので知り合いにやってもらっていた。
でも、ふと、「出来るかもしれない」が頭をよぎり、テレビで見た光浦靖子の手つきを思い出し、見様見真似で編み始めてみた。
なんか、ちょっと違うような気がするが、一応マフラーらしくなってきたぞ。

2009年10月 5日 (月)

ちいちゃん

ウチの子を抱っこ紐にぶら下げて、近所を歩き回っていると、驚くほど色々な人が声をかけて下さる。顔見知りの人は勿論、今までお話したこともなかったご近所さん、さらにはいったいどこの誰なのか検討もつかない人まで、だ。近所がどんどん広がっていくようだ。お知り合いが増えることも嬉しいが、何よりもウチの子の成長を、多くの人が気にして下さってることがありがたい。
先日のこと。私はいつものように散歩がてら近所をぶらついていると、眼鏡のオバサンと酒屋のおかみさんが立ち話しているのが見えた。
酒屋のおかみさんは、会うといつも「どんなになった?」と抱っこ紐の中をのぞき込んできてくれる。
眼鏡のオバサンといえば、去年だったか、すれ違い様に声をかけてきたことがあった。
顔見知り程度で、お話したことはないから、その時も私はなんとなく頭を下げただけだった。オバサンもなんとなく私に会釈をした。しかしそのすぐ後、大きな声を出した。
「あれ?ちいちゃん!あんた、ちいちゃんでしょ?」
私は振り返って、キョトンとした。
「え?」
オバサンは眼鏡を直して私をまじまじと見た。
「あれ?ちいちゃんじゃないの?ンまー、良く似てる!そこに住んでるちいちゃんかと思ったよ。」と斜め後ろをゆびさして、「あんたもモデルさん?」と聞いて来た。
私は、「あ、はい」と答えながら、私に似ているモデルさんって、誰?そんな人がこんな近所に住んでいるんだ、と非常に気になりながら、「どーも」と会釈をしてオバサンを後にしたことがあったのだ。
そんなことを思い出しながら、私は眼鏡のオバサンと酒屋のおかみさんが立ち話している横を通ろうとした。酒屋のおかみさんの方は良く知っているので、今回はなんとなくの会釈ではなく、「こんにちはー」と大きな声でふたりに挨拶をした。酒屋のおかみさんは私に軽く手を振って、そのまま立ち話を続けようとしていた。しかし、眼鏡のオバサンの方は、ハッとした表情で私と抱っこ紐の中の子を見て、「あれ?ちいちゃん!」と声をかけてきた。
まただ!そんなに似ているかな。
「いいえ、違いますよ」、と酒屋のおかみさんに私は目配せした。
「あら、いやだ。良く似てるから!」と、
眼鏡のオバサンは別人だとすぐに気付いたようだった。酒屋のおかみさんは、何言ってるの、といった表情で首を横に振り、「違う、違う」をして、「赤ちゃん、生まれたのよ」と、私の方を見て笑った。
眼鏡のオバサンは、「うん、うん、そう、そう、ちいちゃんとこ、あすこも生まれたから!あすこも、ほら、あれだから。なんだったっけ、ほら、あの、あれ。なんてったっけ、あれ、ほら、女として最高の仕事!」
その瞬間、私はその言葉に腰がくだけそうになった。「女として最高の仕事」!
酒屋のおかみさんが「モデルさん」と答えてたのを見届けてから、私は御免下さいをしてその場を去った。
そしてウチの子に話しかけるのも忘れ、考え込んだ。
女として最高の仕事かぁ。むしろ女優さんとかじゃあないのかなぁ。歌姫とか。バリバリのキャリアウーマンとかも素敵だけど。女として、っていうのとは違うかなぁ。だったら、主婦、とかかなぁ。愛人、っていったら、フランスだったらそれなりにステイタスあるけど、不謹慎かなぁ。なんだろう。色んな人に聞いてみたいなぁ。「あなたにとっての、女として最高の仕事、とはなんですか?」って。
ともあれ、人にそう言ってもらえるなんて、これまたありがたい。これで眼鏡のオバサンにもちゃんと挨拶できるようになったし。私は心がポカポカと暖かくなる感覚を覚えつつ、家路についた。ところで一体、ちいちゃん、って誰だろう?赤ちゃんがいるならなおさら会ってみたい。ふと抱っこ紐を見下ろすと、ウチの子がジッと私を見ていた。
(by Anne)

抱っこ紐
近所を散歩していたら、とあるママが抱っこ紐に赤ちゃん用のレッグウォーマーを付けているのを見かけた。抱っこ紐がよだれでベチャベチャになって、困っていた矢先のことだったから、そのママが天才に見えた。タオルなどをゴム輪でくくっているママも見かけたが、レッグウォーマーなら、するりとはめれるし、洗濯もできるし、かわいい。早速3本買いに行った。


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