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2011年5月20日 (金)

作家か作品か?

今年もカンヌ映画祭が開催されて華やかなニュースがメディアを騒がせる中、今朝ダークなニュースが目に入った。
2000年に『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でパルムドールを受賞した、デンマークの巨匠ラース・ヴォン・トリアー監督が映画祭から追放されたとのこと。
18日の記者会見で、「彼(ヒトラー)はいわゆるまともなやつではないが、私は彼の多くを理解する。少し彼に共鳴するところもある」と発言して、最後に「おれはナチだ」と言い放ったそうだ。

ヴォン・トリアー監督の作品は、大概、これでもかっていうぐらい観客を泣かせる。
私も上映中に、幾度もクタクタになるくらい泣かされた。
ぐちょぐちょになったハンカチを握りしめて、ぐったりした私は、ハァー、とため息をついたことがある。
もう、いい加減、泣かせるの止めてくれないかなぁ、と。
この監督って、ほんと、サディストだなぁ、と。

だから今回の発言も、弱冠やっぱりね、と思った部分もある。
けれど、あれほど黄金の心を持った女性を賛美した作品があるのに、なんで、とも思う。
究極な純粋さって、その対になる感情を深めないと、描写しきれないのかなぁ。
ともあれ監督は、カンヌから追放されて当然。

それでも作品(『メランコリア』)はカンヌ映画祭に残ったという。
芸術作品というのは、完成したと同時に作家の手から離れて、独立してゆくものなんだなぁ、とつくづく思う。
まるで、生んだのはあなただけど、一人の人間なんだからね、と子供が親から離れてゆくみたいに。

昔、ある編集者2人がこんな話をしていた。
A編集者は、どんなに酷い人柄でも、作品が素晴らしければ、その作家に興味を持つし、インタビューしたくなると呟いた。
その横で、B編集者は、作品も然ることながら、作家の(善き)人格にはもっと関心がある、むしろ人柄の方に惹かれると。

時として芸術作品って、自然より美しいと思うことがあるけれど、作家の心は必ずしも相応しない。
今回のヴォン・トリアー監督のニュースは、ルイ・フェルディナン・セリーヌを思いだした。
代表的なフランス文学として讃称されている『夜の果ての旅』に対して、「この作品は自分の人類愛から生まれた」と語ったというのに、本人は反ユダヤ主義として有名だなんて。
作家か、作品か?

うーん。。。
私は、、、ヴォン・トリアー監督に会いたい気持ちは失せたけど、『メランコリア』は是非観たいな。

(by Anne)

奇跡の海
ラース・ヴォン・トリアー監督の『奇跡の海』のDVD。
もう、ほんとうに、嫌というくらい泣かされた、世にも美しい心。

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